FPHL(女性型脱毛症)とは
女性の薄毛は珍しいものではありません。
成人女性の約10人に1人が経験するとされ、年齢とともに増加し、40代以降では約20〜30%にみられると報告されています。
男性のように「生え際が後退する」タイプとは異なり、分け目や頭頂部のボリューム低下として徐々に気づくことが多いのが特徴です。
「髪が細くなった」「地肌が透ける」「昔より毛束が減った」…このような変化に気づいた時には、元の半数近くまで毛量が低下していることも少なくありません。
当院では医学的根拠に基づいた治療により、進行抑制と発毛促進を目指します。
正常な毛周期との毛周期について
髪の毛には毛周期があります
髪の毛は常に伸び続けているわけではありません。1本1本が一定のサイクルを繰り返しながら生え変わっています。この周期を毛周期といいます。

正常な毛周期
髪の毛は以下の3つの段階を繰り返しています。
●成長期(約2〜6年)
毛母細胞が活発に分裂し、髪が太く長く成長する期間です。全体の約85〜90%の髪がこの成長期にあります。
●退行期(約2〜3週間)
毛の成長が止まり、毛根が徐々に縮小していく準備期間です。
●休止期(約3〜4か月)
毛の成長が完全に停止し、自然に抜け落ちるのを待つ期間です。その後、新しい毛が再び成長期に入ります。
正常な状態では、成長期が十分に長いため、太くしっかりとした髪が育ちます。
FPHL(女性型脱毛症)の毛周期
女性型脱毛症では、急激な脱毛ではなく「徐々に細くなる」変化が中心です。
●成長期の短縮
髪が長く太くなる前に成長が止まります。
●軟毛化(細毛化)
太い毛が細い毛へ変化します。
●密度低下
抜け毛の量はそれほど増えないのに、全体が薄く見えます。
●びまん性に出現
男性のように局所的な進行ではなく、びまん性(頭皮全体的)にゆっくりと進行する毛包の機能低下が特徴です。

なぜ女性の薄毛は起こるのか
(機序)
男性ではDHT(ジヒドロテストステロン)の影響により毛包が徐々に小型化します。
一方、女性ではホルモンが毛包を攻撃するのではなく、髪を作る力が弱くなることで薄毛を発症します。
「加齢、ホルモンバランスの変化、紫外線、鉄欠乏、亜鉛欠乏、急激な体重変化」など、女性では様々な要因で毛乳頭細胞からの発毛シグナルが弱くなります。
毛包幹細胞は髪の毛の元になる細胞ですが、毛乳頭細胞からのシグナルが無いと髪を生やすことができず、休眠状態を維持します。
つまり、毛を作る幹細胞は残っていますが、それを働かせる毛乳頭の指令が弱くなるために、髪が徐々に細くなり密度が低下するのです。
そのため女性の場合は、早期に適切な治療を行うことで、改善が期待できる脱毛症です。
女性の薄毛の特徴
男性のように生え際の後退や、局所的な強い脱毛はほぼ起こりません。
主な特徴
- ・分け目が広がる
- ・頭頂部のボリューム低下
- ・髪が細くなる
- ・毛束が少なくなる
- ・抜け毛は急増しない
- ・前髪は残る
- ・びまん性(頭皮全体的)
に進行するのが最大の特徴です。
早期対策が重要
FPHLはゆっくり進行する脱毛症です。しかし、毛包機能が一定以上低下すると回復は困難になります。
「なんとなく減った気がする」段階が最も治療効果が高い時期です。早期に治療を開始するほど、改善率は高くなります。
少しでも気になる症状があれば、お早めにご相談ください。

